紅崎玲央の学習記録 - 趣味の数学ノート別冊

趣味で数学に取り組む学習記録です。

🗒️p.003 - 行列の対角化の裏側で何が起きているのか

2023/07/16、日曜日。
数学検定1級に向けて取り組んでいます。

Reviews

まず『大学の線形代数』の第6章、第8章を写経しながら通読。次に『合格ナビ』の第5章と6章のうち、以下の問題に集中して取り組みました。

  • 対称行列の対角化
  • 2次形式の標準化
  • ラグランジュの方法による2次形式の標準化

この辺りは1問1問の計算が重たく、時間がかかって辛いですね。どうもこの辺りは多くの量をこなすよりもひとつの問題に何度も取り組み、手順を再現できるようにするのがポイントのように思いました。対称行列の対角化は2次形式の応用に繋がるので、何度も登場します。

手順の整理

以下のノートは自分なりのカンペみたいなもので、用語や厳密性など正確でないかもしれません。ご注意ください。

対称行列の対角化の手順ノート

2次形式の標準化の手順ノート

対角化の裏側で何が起きているのか

2次形式の標準化を行う問題の解答で、直交行列を「変換行列」として変数変換を行なうというのがサラッと出てきました。上のノートの(3)のところですね。

ちょっとここの理解が怪しいです。なんで直交行列が変換を表す行列になるの?なんで$${x=Ty}$$になるの?($${y=Tx}$$ではないの?)

…調べていると、僕は一次写像の本質がわかってないことに行き当たりました。 変換を表す行列、基底の変換、表現行列、そして対角化の裏側で起きていることってなんだろう、という疑問へと発展します。

こちらのYouTube動画がこの辺りをついていると思いました。

www.youtube.com

ただ僕の前提知識だと、解説のペースが早く理解が追いつきません。いったん図を追いかけながらイメージだけを掴みます。

次に見つけたのはこちら。

www.youtube.com

具体例を写経しながらじっくり追ってみると、対角化の際にやっていることが見えてきた気がします。

僕が整理できていなかったのは、まず「基底(座標軸)を移す」ことと、写像を使って「ベクトル(座標)を移す」ことの違いでした。どちらも同じように行列を使って計算しますが、違う操作をしているんですね。上記の$${x=Ty}$$というのは、標準基底から別の基底に取り替える際の取替行列$${T}$$を使って、$${x}$$から$${y}$$へ座標を移していることになります。

もう一つは「変換を表す行列」と「表現行列」の違いです。表現行列を考える際には、同じ変換でも基底の取り方で表現行列が変わります。標準基底を使う際には、変換を表す行列$${A}$$と表現行列が一致します。

以下、僕の現状の理解となります。

対角化とは、うまいこといい感じの基底をとってきて、表現行列$${B}$$が最もシンプルになるようなものを探す、という操作です。このいい感じの基底に当たるのが固有ベクトル達であり、規定の変換行列が固有ベクトルを並べた行列$${P}$$になります。これらを使って、表現行列としてシンプルで都合の良い対角行列$${B=P^{-1}AP}$$が得られるんです。対角化の裏側では、このような座標軸の変換が行われていたんですね。

Plans

さて、冒頭で書いた通り現状だと僕には問題を解くための基礎力がないことを認識しました。今週は一次試験の問題を解けるように意識していきたいと思います。

まずは、数学検定の一次試験の問題に取り組んでみます。線形代数の分野に該当する問題に触れて、問われてることの理解や使っている公式や解法をインプットして、できるだけ自力で解けるようにしておきたいです。

同時に、計算練習。これは『合格ナビ』の1章「行列」・2章「行列式」・3章「連立方程式」に取り組むのがちょうどよいかなーと。

ここまで参考書を一周して頭の中に作ったインデックスを、実際の問題を前に自分の手で使えるようにしていくのが目標です。今後は仕事も忙しくなってきて、数学の勉強に避ける時間が減ってしまう見込みです。あまり焦らず地道に続けていきたいと思っています。