紅崎玲央の学習記録 - 趣味の数学ノート別冊

趣味で数学に取り組む学習記録です。

🗒️p.025 - いろいろな確率分布の概要①離散型

2023/12/24、日曜日。

数学検定1級の学習と、統計学の学習に取り組んでいます。

Reviews

12月に入ってから、すうがくぶんかさんにお世話になって、統計学の基礎を学んでいます

先週の授業では、正規分布の話題と多次元の確率分布について学びました。授業では要点をかいつまんで統計学の外観を掴むような構成にしていただいていて、統計書学者にとって集中するべきところがわかるので大変助かっています。

一方で赤本に書いてあるものの触れなかったり、数式の導出過程を省略している部分があったりもするので、そういった部分は自主学習でできるだけキャッチできるように努めてきました。

  • 授業:正規分布、2変数の確率分布について
  • 教科書『統計学入門』
    • 第6章 確率分布
  • 教科書『大学の統計学
    • 第2章:確率分布(7の指数分布まで)

ですが、どうにも理解への手応えが掴めずにきています。おそらく複数の書籍を参考書として使うことで学習が分散しちゃっていて、なかなか授業に追いつかず焦ってしまっているのが良くないなあと気づきました。今後のやり方については,後ほど整理します。

今回は、赤本の6章の範囲からまとめ。

ちなみに、いろいろな確率分布のイメージを掴むために、こちらの動画も参考にさせていただいています

www.youtube.com

赤本 第6章:確率分布 ①いろいろな連続型確率分布の概要

赤本の第6章では、いろいろな確率分布が登場します。

頭からすべて学んでいこうとするとなかなかキツいので、次のような方針で学ぶのがよさそうに思いました。

  1. いろいろな確率分布の概要(具体的な事象の例や関連性)を掴む
  2. とくに重要な確率分布について、基本的な性質(分布の形状や期待値・分散の式)を理解する
  3. 上記の確率分布について、数式の導出を学んで数式での理解を深める
  4. その他の確率分布についても同様に理解を深める

ここではまず、1にあたる分布の概要について整理していきます。今回は離散型のみで力尽きました。

離散型の確率分布として、赤本では超幾何分布、二項分布、ポアソン分布、幾何分布、負の二項分布、一様分布の6つが紹介されています。

この中でとくに重要な確率分布は、二項分布・ポアソン分布あたりでしょうか。

離散型:超幾何分布

いきなり出てくるこの分布、ちょっと馴染みがないですね。赤本では、以下のように書かれています。

2種類A, BからなるN個のものがあり、個数の構成はそれぞれM, N-Mとする。この集団から勝手にn個取り出したときに、Aがx個、Bがn-x個であるとする(中略)
この確率分布を超幾何分布という。

この場合、取り出し方は非復元、つまり1個を取り出したときに元に戻さずに次を取り出すことを考えています。もしこの取り出し方が復元、つまり取り出したものを元に戻す場合であれば、試行ごとに確率が変わらず、超幾何分布ではなく次の二項分布となるようです。

離散型:二項分布

二項分布は「ベルヌーイ試行を一定回数行った際の成功回数の確率分布」です。ベルヌーイ試行とは、コイン投げの裏表のように2種類の結果(成功・失敗)がある試行のことです。

具体的な事例として、たとえば「コインを5回投げて表が出る回数」はこの二項分布に従います。他にも「10人の中のコロナウィルス感染者数」なども相当するようですね。

二項分布はBi(n, p)と書かれ、nが試行回数、pが成功の確率を表します。

この二項分布でnを大きく取ると、連続型の正規分布に近似します。

離散型:ポアソン分布

ポアソン分布は「ある期間内で事象が発生する回数の確率分布」です。

具体的な事例として、たとえば「1時間に電話を受ける件数」「1日の交通事故の件数」はこのポアソン分布に従うようです。

ポアソン分布はPo(λ)と書かれ、λは単位時間あたりの平均回数を表します。

これは二項分布において、試行回数n→∞としたときに現れる確率分布のようですね。また二項分布と同様に、ポアソン分布でλを大きく取ると、連続型の正規分布に近似します。

離散型:幾何分布

幾何分布は「ベルヌーイ試行を繰り返し、初めて成功するまでの試行回数の確率分布」です。この名前は、確率質量関数が幾何級数(=等比級数)の形になることからきているようです。

具体的な事例として、たとえば「コインを投げ続けて初めて表が出るまでの試行回数」「飛び込み営業が成功するまでの回数」などがあります。

また幾何分布は、初めてそれが起こるまで待つ時間の長さの確率分布とも捉えることができて、「離散的な待ち時間分布」と呼ばれるようです。

幾何分布のパラメータは、それが起こる確率pのみです。

二項分布ではベルヌーイ試行の回数をn回としたときの成功回数に着目していましたが、この幾何分布では試行の回数を決めていないのですね。そしてこの幾何分布を一般化したものが、次の負の二項分布となります。

離散型:負の二項分布

負の二項分布は「ベルヌーイ試行を繰り返して、k回目に成功するまでの失敗回数の確率分布」です。この名前は、確率質量関数に負の値に拡張した二項係数が登場することからきているようです。

具体的な事例として、たとえば「コインを投げ続けて5回表が出るまでに出た裏の回数」「消費者のある商品の購買回数」などがあります。

負の二項分布でk=1としたときが先ほどの幾何分布になります。期待値や分散も幾何分布のk倍と、スッキリした値が出てきます。

離散型:一様分布

一様分布は「すべての事象が全く同じ確率で発生する場合の確率分布」です。確率質量関数は定数で、一番シンプルな確率分布ですね。

具体的な事例として「サイコロを1回投げた時に出る目」があります。

一様分布は離散型だけでなく、連続型の場合にも考えられます。

Plans

今後の学習の進め方について、あれこれと手を出そうとしないで、赤本を使った授業の予習復習をベースとして進めるのがよいなーと思っています。

という訳で、今週は授業と赤本でこのあたりの内容を。

まずは「概要を掴む」「整理してまとめる」というところに注力したいですね!

もちろん「数式で説明ができる」「問題を解ける」ということも大事ですが、ここはいったん置いておきたいと思います。今の学習が一段落ついたら取り組みたいと思います。


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🗒p.024 - 確率変数と確率分布の概要

2023/12/17、日曜日。
趣味で数検1級の学習と、統計学の学習に取り組んでいます。

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12月に入ってから、すうがくぶんかさんの『統計学入門【統計検定2級対応】』を受講して統計学の基礎を学習しています。

sugakubunka.com

先週は、授業でいろいろな確率分布について学びました。教科書で確率変数・確率分布を復習し、また記述統計に関しても『大学の統計学』の第1章で記述統計の概要をつかみました。

  • 授業:確率分布について
  • 教科書『統計学入門』(赤本)
    • 第5章 確率変数
    • 第6章 確率分布
  • 参考書『大学の統計学
    • 第1章 イントロ(2節 記述統計)
    • 第2章 確率分布(2節 離散型確率分布の途中まで)

学習の仕方については、まずは授業を受けて要点を聞き、赤本でその範囲を復習したのちに、もう1冊の教科書『大学の統計学』で理解を深めるようなやり方をとっています。本当は授業の前に一回赤本で予習をしてから臨むのが理想なんでしょうけど…なかなかそこまで追いつきません。

ここでは、赤本の章ごとに概要を掴む形でアウトプットしてみることにしました。今回は第5章の範囲です。

赤本での学び方については、こちらのnoteでも書きました。

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赤本 第5章:確率変数

赤本の第5〜6章で、確率変数と確率分布を学びます。5章で総論を学び、6章で個別の各論といった位置付けです。

この第5章は、統計初学者はすぐに理解するのがなかなか難しいように僕は感じました。

これは人にもよると思いますが、総論から学ぶよりも具体的な分布について手を動かして計算しながら見ていったほうが、イメージや感覚が掴めるんですよね。「習うより慣れろ」という感じ。

そこでもう1冊使っている参考書では、離散型の確率変数・期待値・分散についてサクッと整理した後にすぐ具体的な確率分布に入る構成になっているので、だいぶ助かりました。

確率変数と確率分布

まず、重要な用語としてはこの2つがあります。

確率変数X

試行の結果によって値が定まり、その値を取るときの確率が決まっている変数のこと

確率分布

確率変数に対して、それぞれの値の確率を定める表・グラフのこと

確率変数を横軸に、その値を取る確率を縦軸にグラフ化したものが確率分布です。確率分布は確率の「重み」の分布の様子を表していると捉えることができます。

確率分布:離散型と連続型

確率分布には「離散型」と「連続型」があり、それぞれで性質が大きく異なります。

離散型確率分布

・確率変数Xが、可算集合の中の値をとる
・各Xをとる確率は確率質量関数で表される
・確率の総和は1になる

連続型確率分布

・確率変数Xが、連続な値をとる
・確率は確率密度関数で表される
・その定積分が確率の値となり、全範囲で定積分すると1になる

離散型・連続型どちらの場合でも、ある値以下を取る確率を表した「積分布関数」を定義することもできます。

確率分布を代表する値:期待値・分散・モーメント

確率分布を代表する値として、次のような量を使います。

期待値E(X)

・確率分布を表す確率変数の期待値のこと。確率の重みつき平均。
・Xの値とそれに対応する確率の積の総和をとったものを期待値と呼ぶ。

分散V(X)

・確率分布のばらつきの指標。分散が大きいほどXのばらつきは大きい。
・Xの期待値とのズレを偏差と呼び、偏差の2乗の期待値を分散と呼ぶ。

このあたりは数式で計算に慣れた方が良さそうですね。

確率分布の形状を表す「モーメント(積率)」という概念もあります。モーメントは偏差のr乗の期待値で表されて、「Xの期待値まわりのr次モーメント」のように表現します。分散は「Xの期待値まわりの2次モーメント」です。また、非対称性の指標である歪度、尖りの程度を表す指標である尖度が定義できます。

また、期待値や分散の値を用いた確率変数の「標準化」ものちのち使います。偏差(確率変数から期待値を引いた値)を標準偏差(分散の平方根)で割った値を新たな確率変数とすることで、確率分布の期待値を0・分散を1に調整することができます。

発展

以下は、授業では深く触れなかった項目。今後、参考書の方で手を動かしながら学んでいきたいです。

モーメント母関数

すべての次数のモーメントを生成する関数を定義することができます。

これにより期待値、分散、歪度、尖度といった各次数のモーメントが簡単な微分の計算から求められるようです。

チェビシェフの不等式

全体の分布がわからない時に、平均と分散から確率の見当をつけるときに役立つようです。

例)テストの平均と分散しかわかっていない状態で、50点〜60点である確率について見当をつけたい。

確率変数の変換

確率変数Xに関して、その関数(変換)X2, 1/X, eX, logXなどの確率分布を求めたいケースがよくあります。

例)世帯年収の分布などは下と上でばらつきが大きいため、対数関数logXへ変数変換して考えるほうが適切。

Plans

今週は、引き続きすうがくぶんかさんの「統計学入門」の授業を受けながら、教科書を使って確率分布の理解を深めていきたいです。

  • 授業に参加
  • 教科書『大学の統計学
    • 第2章:確率分布(7の正規分布まで)
    • 問題演習
  • 教科書『統計学入門』
    • 第6章:確率分布

この辺、できれば本を読むだけでなく、計算練習で慣れたいなーと思います。手頃な演習書が欲しいところなのですが、何が良いのでしょうかね…?

とりあえず参考書の演習問題と、数学検定1級の統計の問題でもやってみようかなーと思っています。


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🗒p.023 - 統計学を学ぶための事前準備、授業アーカイブを追いかける

2023/12/10、日曜日。
数学検定1級の学習と、統計学の学習に取り組んでいます。

Reviews

先週から数学検定の学習を少し離れて、統計学の学習に入ることにしました。

すうがくぶんかさんの『統計学入門【統計検定2級対応】』を受けています。

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先週はすうがくぶんかさんの授業をアーカイブ動画で追いかけつつ、統計学を学ぶイントロとして教科書『統計学入門』『大学の統計学』のそれぞれ気になる部分を学習してきました。あと、授業で必要になるRの環境構築も行ってみました。

  • 授業動画
    • 確率変数
  • 教科書『統計学入門』
  • 教科書『大学の統計学
    • 第1章 イントロ(確率)
  • Rの環境構築(RとRStudio)のインストール

統計学の教科書は、上記の2冊を使って学んでいこうと思っています。メインは『統計学入門』を使っていきたいのですが、それだけでわかりづらい部分や前提知識の補足として『大学の統計学』で部分的に学ぶ、というような活用をします。

統計学の歴史的なことを知る

統計学には大きく分けて「記述統計」「推測統計」の二つがあります。

  • 記述統計:収集したデータの統計量を明らかにして、データの傾向や性質を知るもの
  • 推測統計:採取したデータ(標本)から全体(母集団)の性質を確率統計的に推測するもの

統計学を学ぶことで、現状を知ることができるというのも重要ですが、それよりも今あるデータから未来を想像できるようになることに価値がありそうです。これは、後者の「推測統計」にあたります。僕らが統計学を学ぶ目的は、この「推測統計」を理解して使いこなせることにあるのかなと思います。

教科書『統計学入門』では統計の歴史的なところにも触れています。この試行錯誤の歴史が結構面白いです。

  • 初期の頃は国家や経済が興味の対象。全数調査の考え方、全体を知ることが大事だった
  • 科学の発展、大量観察して得たデータから規則性を探る(平均値、相関)
  • 確率を前提として、ばらつきの定量化ができる標準偏差の考え方が整備された
  • そして、統計的推測の確立。推定と仮説検定の方法により、部分的な情報から、全体を知ることが理論上可能になった

歴史を見ていくと、その時代に先人たちがどんなモチベーションでその分野を発展させたのかがわかるので、これから学ぶ内容にも少し親しみが湧いてきますね。

統計学って、どうにも僕がこれまで学んできた受験数学とも大学数学とも学び方が違うように思っていて、どう学べば良いかわからないんですよね。これは僕が高校数学の延長である「問題を解く」ということに慣れてしまっているせいだと感じます。統計学は実用性のある学問なので、歴史的なことも知りながら現実に活かすような勉強をしていくと楽しそうです。

推測統計を学ぶための事前知識

統計学を学ぶ本番は「推測統計」となりますが、そこまでの大まかなルートを整理しておきます。

まず必要な高校レベルの数学知識(確率、記述統計、微積分)を事前知識としておさえてから、ちょっと抽象度の上がる確率変数・確率分布を学びます。その後にようやく推定や検定といった推測統計に辿り着ける、という感じでしょうかね。

この一番最初に必要な数学の事前知識としては、『大学の統計学』の教科書の第1章イントロで整理されています。高校数学で学ぶこの3つの分野ですが、ちょっと大学らしい内容も入っています。ですが、前提知識として必要な部分はさほど多くなさそうに感じます。

確率
条件付き確率の計算をもとにした乗法公式、ベイズの定理。

記述統計
1変数と2変数でそれぞれポイントがあります。1変数ではデータの特徴を表す「代表値」やばらつき具合を示す「偏差」「分散」「標準偏差」の計算の仕方とそれらの関係性、2変数で相関係数や直線回帰の計算。

微積
確率分布を学ぶ際に積分が出てきます。確率は確率密度関数積分として計算(確率=面積)。ベータ関数やガンマ関数、ガウス積分といった項目もいずれ関連してくるのでしょうか。

Rの環境構築

以下サイトを参考にさせていただいて、RとRStudioをインストール。

lifetime-engineer.com

僕はPythonを使ったことがありAnacondaをインストールしていたのでそれでRstudioも使えるかなーと思ったんですが、どうもインストールがうまくいかずいきませんでした。2年前くらいには遊びで使ったことがあるのでいけると思ったんですが…。

調べたら同じようにAnacondaでRstudioをインストールできないという情報もちらほら見かけたのですが、2023年の情報があまりなく…。今のバージョンでは何か違うのでしょうか?

Plans

今週は、もうちょっと統計の準備部分をがんばって一通り終わらせたいです。

  • 教科書『統計学入門』
    • 第1章 イントロ:記述統計、微積
  • 授業動画
    • 確率変数・確率分布

今週で準備をさらえれば、授業と赤本に集中できるかな。。がんばって追いつきます。


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🗒️p.022 - 微分演算子は何の役に立つのか、微分方程式の1次過去問にトライ

2023/12/3、日曜日。
数学検定1級に向けて取り組んでいます。

Reviws

先週は、教科書を使って微分演算子の利用を学びました。また、直近の1次試験の過去問から微分方程式の問題をピックアップして解いてみました。

いったんここまでで、数学検定1級の微分方程式分野の1周目は終了にしようと考えています。相変わらず、まだまだ問題演習不足は否めませんが。

微分演算子は何の役に立つのか

微分演算子を使うと一体何が嬉しいんでしょうか?

その答えは非常にシンプルで、微分演算子を導入する理由は「機械的に線形微分方程式を解けるようにするため」なんですね。

教科書として使っている『やさしく学べる微分方程式』で微分演算子の導入を学んできましたが、途中ひたすら公式のようなものが出てくるばかりで、それを導入するモチベーションが見えてくるまでが正直辛かったです。結局のところ「線形微分方程式を解く」ということが目標地点のようですが、ここまで学習してきた方法を使えば解けるのになぜ…?と思いながら進めていました。

1階にしろ2階にしろ、同次方程式なら解くのはさほど難しくありません。ですが非同次方程式となると「まず同次方程式の一般解を求めてから、定数変化法(や未定係数法などの方法)を用いて非同次方程式の特殊解をアタリをつけて見つける」という手探りのような作業が必要になります。

これがなんだか泥臭いというか、非効率な感じが確かにします(個人的にはパズルのような試行錯誤の面白さを感じますが)。微分方程式の解にのみ着目したい場合に、毎回この作業を繰り返すのは面倒ですよね。

そこで微分演算子を導入することで、微分方程式の解を演算として機械的に求めることができる、というのがこのあたりのモチベーションとなります。

微分方程式の1次過去問にトライ

過去10回分の1次試験のなかで、微分方程式が出題されていた6問を解いてみました。現段階では正直、解答を読んでもあまりわからない問題がいくつかあります。

微分方程式の1次対策としては、今後次のような練習が必要そうです。

  • 2階線形非同次方程式の特殊解を求める(基本)
  • 連立微分方程式を解く(基本)
  • いろいろな形の積分計算(1変数)
  • 一見線形でない微分方程式を解ける形に変形する

微分方程式分野の2周目を学ぶ際は、いろんな形の微分方程式を解いて形を見極める練習をやってみたいです。解説のしっかりした問題集がひとつ欲しいなと思いました。またもしかすると数検対策として、解答のスピードを上げるために微分演算子の公式を使った解き方を習得する必要もあるのかもしれませんね。

Plans

今週から、統計学の学習をスタートすることになります。統計については、いったん数学検定の枠を外して、基本からじっくり学んでいきたいと思います。

実は統計学の学習については、前々から仕事に繋がりそうなお話をいただいていて、近いうちに腰を据えて学ばなければと思っていたんです。そこで「すうがくぶんか」さんの「統計学入門」の集団授業を受けることにしたんです。2月いっぱいまでの授業です。

sugakubunka.com

今週はあまり学習時間が取れなさそうなので難しいですが、ちょっと頑張ってここまでできれば理想だなと思っています。

使用する教材は『統計学入門』。


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🗒️p.021 - 2階線形微分方程式の解法と歴史に想いを馳せる

2023/11/26、日曜日。
数学検定1級に向けて取り組んでいます。

Reviews

先週は、教科書を使って2階以上の線形微分方程式の解き方を学んできました。

今回の範囲を学習して思ったことは、2階になってもここまでの1階の理解がベースにある、ということです。

特殊解を見つける際に定数変化法を使うやり方が繰り返し出てきます。ここ最近のノート(p.019〜p.020)で先を急がずに理解と解き方の手順をじっくり定着させておいて良かったな、と強く思いました。

2階線形微分方程式(定係数) の解法

定係数の同次方程式・非同次方程式をまとめて、解き方の手順を整理しました。

問題として与えられた微分方程式を解くことも大事ですが、この導出についても繰り返し導出を練習して、しっかり流れを掴みたいです。

微分方程式の解法と歴史に想いを馳せる

ここからポエム的な話になりますが…このあたりを学習していくうちに、なんだか先人たちの歴史とロマンを感じて楽しくなってきました。

ロマンを感じたポイント。

あくまで僕らが微分方程式の問題として解けているのは、かなり特殊な場合のみ。そしてその特殊な場合の解法を見つけるために、先人たちが泥臭い試行錯誤を繰り返してきたんだろうなという気がして、僕もそれを追体験している感覚が楽しくなってきているんです。

歴史も何もわかっていない僕なんかがおこがましい…という気持ちもありますが、数学を学ぶ楽しさの一つとして、こういった気持ちを大切にしていきたいな、なんて思ったりしました。

Plans

今週は、また教科書を進めて次の章をやっていきたいと思います。また、1次試験の過去問の中から微分方程式のジャンルのものをピックアップしてやってみます。

実は微分演算子の章は後回しにするつもりでいました。ですが、教科書で内容をサラッと見た感じ、ここまでの復習にもなるのかなと思う内容だったので、急遽やってみることに。また4章の最後の方で出てくる「連立線形微分方程式」は過去問でも見かけたため、ここまでは数検1級対策として必要そうだなという印象です。

そして12月に入ったら、次はいったん数学検定の学習という枠を離れて、統計の学習に集中するタイミングかなと思っています。学習プランの見直しが必要になってきましたので、そのあたりの話は次回以降のノートで整理したいと思います。

🗒️p.020 - 1階線形微分方程式をじっくりと②

2023/11/19、日曜日。
数学検定1級に向けて取り組んでいます。

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先週はヨビノリさんの動画メインで、1階線形微分方程式の解き方を学んできました。書籍だけでは理解できていなかった部分が、だいぶ整理されてきたように感じます。

先週学んだポイントを整理します。

「同次形」と「同次方程式」は違う概念である

微分方程式を学び始めると「同次形」「同次方程式」という二つの用語が出てきますが、これらは多くの初学者が混乱するネーミングだと思います。

どちらも同じ「同次」という言葉が使われていますが、ここでは二つの違う意味で使われていると認識しておきましょう。

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①同次形の微分方程式(homogeneous differential equation)

微分方程式$${y'=f(x,y)}$$において、右辺の関数$${f(x, y}$$が$${x, y}$$について零次の同次関数$${f(y/x)}$$である、すなわち$${y' = f(y/x)}$$の形になる微分方程式をいう。ざっくり要約すると、右辺が$${f(y/x)}$$で表せる微分方程式のこと(cf. 同次性、同次式、同次関数)。

②同次線形微分方程式(homogeneous linear differential equation equation)

微分方程式において、$${y}$$とその微分に関する項を左辺に集めたときに、右辺が$${0}$$である線形微分方程式のことをいう。たとえば1階の同次線形微分方程式は$${y' + f(x)y = 0}$$、2階の同次線形微分方程式は$${y'' + f(x)y' + g(x)y = 0}$$である。ざっくり要約すると、右辺が0になる線形微分方程式のこと(cf. 同次方程式、同次連立一次方程式)。

どちらの「同次」も英語では「homogeneous」のため、訳し方が悪いというわけではなさそうです。何故こんな紛らわしい名前なのでしょうか…?

1階線形微分方程式の解き方パターンまとめ

以前のノート(p.018)で1階線形微分方程式の分類と解の公式についてまとめましたが、その時はまだ解像度が低かったです。改めて、解き方パターンを俯瞰できるようにまとめました。

ベルヌーイの微分方程式

ここまでで、1階線形微分方程式はすべて一般的に解けることがわかっています。では、非線形の場合はどうでしょうか?

非線形の1階微分方程式には一般的な解き方はありませんが、「ベルヌーイの微分方程式」と呼ばれる形であれば、1階線形微分方程式に帰着させて解くことができます(先ほどのまとめノート参照)。

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様々な微分方程式の解き方

他にも非常に興味深い微分方程式があります。その例として、「完全微分方程式」と「クレローの微分方程式」というものがヨビノリさんの動画で取り上げられています。後者では特異解と包絡線という概念について触れていますね。

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この辺りは一度サラッと流した程度なので、また必要に応じて学び直したいと思います。

Plans

今週は、教科書に戻って次の章、2階以上の線形微分方程式の解き方を学んでいきます。まずは範囲全体を俯瞰したいと思います。

また、今週からは学習時間ももっと取れるはずなので、微分方程式の学習はこれまで通り進めながら、数検対策として微分積分分野の計算練習も取り入れていきたいです(うまく時間のやりくりできるかな…)。

計算練習については、今年いっぱいで合格ナビ2冊分を一周できたらいいな、くらいのスケジュール感で取り組んでいきたいです。やり方は以前のノート(p.009)「基礎問まとめノート作り」で紹介した方法で、ノートを完成させるのを目標に進めていきます。

🗒️p.019 - 1階線形微分方程式をじっくりと①

2023/11/12、日曜日。
数学検定1級に向けて取り組んでいます。

Reviews

前回から間が空き、2週間分の振り返りとなります。

ここまで学んだ1階線形微分方程式の解き方を定着させるために、いくつか問題の練習と動画学習をしてきました。

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問題練習を繰り返して自分で手を動かして解いてみると、微分方程式の問題はパターンさえ見抜ければ、あとは機械的に解けるのがパズル的で面白いところだなと感じました。一方で、理屈や意味を考えて取り組まないと単調になり、浅い理解になってしまいそうだなあとも。

今週学んだポイントを整理します。

微分方程式の分野を学ぶ心構え

ちょっと大げさな見出しですが、微分方程式の分野を学ぶための心構えを整えておくことが重要だなと思いました。参考はこちらのヨビノリさんの動画。

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まず、微分方程式の意味について。そもそも「方程式を解く」ことと「微分方程式を解く」ことの違いを整理すると、次のようになります。

  • 「方程式を解く」とは、未知数を求めること(例:方程式$${x2+2x+1 = 0}$$の解は$${x = -1}$$)

  • 微分方程式を解く」とは、未知の関数を求めること(例:微分方程式$${y' = y}$$の解は関数$${y = ex+C}$$($${C}$$は任意定数))

微分方程式を解いて求めるものは関数だという認識がまずは重要です。

そしてもう一つは、微分方程式が現実でどのように使われているのかということ。その全体像を整理すると、次のようになります。

  1. ある現象(変化)を観察して微分方程式を記述する(=モデル化)
  2. 与えられた微分方程式を解き、解を求める
  3. 得られた解と現象を比較して、正確な解が出せるよう微分方程式を修正し、より良い数理モデルを作る

このうち、僕らが学ぶのは2番目の計算方法の部分なんですね。難しい微分方程式を解けることがエラい訳では決してなく、それらを作った過去の偉人たちの功績に敬意を持ちながら微分方程式を解くことが、この分野を楽しく学ぶ心構えになるのかなと思いました。

これらの視点はなかなか、他の教材では触れられていないことだと思います。さすがヨビノリさん。

微分方程式を解く際のゼロ除算に注意

参考書として使っている『やさしく学べる微分方程式』だけでは、問題の解説が大きく省かれていたりしてあまりよくわからない部分が正直ありました。

特に気になったのは、微分方程式を解く際のゼロ除算について。これについてもヨビノリさんの動画で痒いところまで掻いてくれていました。

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変数分離形の微分方程式$${\frac{dy}{dx} = f(x) g(y)}$$を解くときに、まずは両辺を$${g(y)}$$で割ることになります。この時に$${g(y) ≠ 0}$$である必要があるのですが、この割り算を機械的にやっちゃうのがなんか気持ち悪いなあと思っていました。

結局、この内容は完璧に理解するのは難しいので、いったん計算手順の型を身につけちゃったのちに精査するのが良いんだろうと思います。僕も動画を1回見ただけだと理解しきれていません。とりあえずポイントとして「$${g(y)=0}$$($${g(y)}$$が恒等的に$${0}$$である定数関数)のケースのみ考慮すれば良いんだ」くらいの気持ちで進めてみます。

Plans

今週は先に進むというよりも、ここまでの内容をじっくり定着させるような学習をしたいと思います。今週はヨビノリさんの動画メインで、加えて教科書で触れていない題材にも触れてみます。

数検1級では「ベルヌーイの微分方程式」も過去に出題されたことがあるとの情報があったので、しっかり取り組んでみます。